【ハゼ本DB】東北のすごい生産者に会いに行く

ハゼ釣り大好きKUWAPONです。 2011年3月11日に東日本大震災が発生。国内史上最大となるマグニチュード9.0に襲われた岩手、宮城、福島では、その直後の巨大津波で多くの人的な被害が発生しました。また、福島第一原子力発電所の事故により 放射性物質の放出により立ち入り禁止区域の設定、8年が経ついまだに続く除染作業とその影響を色濃く残っています。

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「東北を元気に!」 「東北から日本を元気に!」

この書籍は「東北のすごい生産者に会いにいく」は、アルケッチャーノの奥田さん、ライターの三好さんが「食の震災、食の復興」をテーマに、福島 、宮城、福島 で、大震災を乗り越え、農作物や海産物で東北を元気にしようと奮闘する人を紹介しています。

焼きハゼを使った雑煮は知る人ぞ知る宮城の郷土料理。 また、宮城県には松島湾、万石浦、長面浦などハゼの生息に適した内湾があり、秋には多くの釣り人でにぎわいます。また、数珠子釣りといった針を使わず、イソメを数珠繋ぎに見立てた伝統漁法も残っています。しっかりハゼが生活に根付いている地域です。

この東日本大震災の3mを超える大津波が港湾部に大きな被害となり、そこに住む人々の生活や文化の「食の震災」にもなりました。この書籍は、その生活や文化の「食の復興」 が感じられるとともに、こんな熱い思いで、僕らにおいしい農産物・海産物を作ってくれている生産者がいらっしゃるのか?と思い、今まで以上に東北を応援できたらと思ってしまいます。著者の「東北を元気に!」 「東北から日本を元気に!」の思いがとっても詰まっている本です。

津波に消えた集落、消えぬ焼きハゼ

2011年3月11日、東日本大震災が津波が宮城県太平洋沿岸部を襲う。猛烈な大津波。ハゼは汽水域(海の潮水と川の淡水がまじりあう)で生息していますが、この大津波は沿岸部に大きな爪痕を残しました。このお話は、石巻市の北上川の河口近くの長面湾で漁師をされている、榊さんの焼きハゼに関するものです。

津波に消えた集落、消えぬ焼きハゼの舞台:宮城県石巻市長面湾

宮城県では、お正月の「仙台雑煮」に欠かせない、焼いたハゼで出汁をとる習慣がありました。宮城県のハゼの産地は波が穏やかな松島湾・万石浦・長面湾が主ですが、漁師の榊さんは、この長面湾で、刺し網でハゼをとり、そのハゼで焼きハゼに加工されていました。

しかし、長面湾はそのふくろ小路の地形のため、その津波が増幅され多大な被害が発生した地域です。その焼きハゼ文化が途絶えるのかとも思えました。もともとからの継承者不足に加えて、この震災が追い風になったとのこと。そのため、震災以降は、焼きハゼとそれを作る漁業者が激減しているため、焼きハゼが 一連10尾編み\7200(送料別)と大変高価になっている。

【料理】仙台雑煮とハゼのコンソメ

通常のハゼのおだしは、水からハゼを煮だすため、ハゼは味が抜け、すかすかになるとのこと。このため、奥田シェフはコンソメの下地にハゼを浸すことを行い、コンソメにハゼの風味を与えつつ、ハゼの身にも味を残す工夫を行われるとのこと。確かにおでんの練り物も、最初から入れると、出汁に溶け込み、味がいまいちってありますもんね。

書籍情報:

 タイトル  東北のすごい生産者に会いに行く
 著者名  奥田政行/三好かやの
 出版者   柴田書店
 出版年   2015年2月1日

目次:

「日本の農家を元気にしたい」という目標を持ち、被災地に足を運ぶなかで危機感を抱くようになった2人の著者が、「この人たちが未来を築く」という生産者を訪ね、東北、ひいては日本の漁業と農業の現状を伝える。

  • すごい生産者に会ってきた
    1. 【セリ】せりの仕返し、加茂の恩返し
    2. 【野菜】福島の未来を創る野菜たち
    3. 【牡蠣】不屈の海
    4. 【桃】 吟壌の桃
    5. 【天然ワカメ・アワビ】奇跡のワカメの故郷
    6. 【白菜】変わる仙台、変わらなぬ白菜
    7. 【焼きハゼ】津波に消えた集落、消えぬ焼きハゼ
    8. 【米】土へのあがない
    9. 【米】よみがえる田んぼ
    10. 【有機野菜・酒】ゆうきの里の人々
    11. 【なたね油】南相馬の油菜ちゃん
  • 座談会:料理人と生産者
    1. 東北の「食」と「農」を語ろう
  • 東北のすごい生産者リスト
  • おわりに
  • 奥田シェフのレシピ

著者情報

アル・ケッチャーノ 奥田政行

1969年山形県生まれ。2000年イタリア料理店「アル・ケッチァーノ」開業。「食の都庄内」親善大使。10年辻静雄食文化賞受賞。07年「イル・ケッチァーノ」、09年「ヤマガタサンダンデロ」、14年“福島食の復興”がテーマの「福ケッチァーノ」をオープン。

三好かやの

1965年宮城県生まれ。食材の世界を中心に、全国を旅するかーちゃんライター。震災後は、東北の食材と生産者を訪ね歩いて執筆活動中。共著に「私、農家になりました」。

まとめ

「東北のすごい生産者に会いにいく」は、アルケッチャーノの奥田さん、ライターの三好さんが「食の震災、食の復興」をテーマに、福島 、宮城、福島 で、大震災を乗り越え、農作物や海産物で東北を元気にしようと奮闘する人を紹介しています。
皆さんも「東北を元気に!」 「東北から日本を元気に!」の思いがとっても詰まっている本から、元気をもらってみませんか?

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